日記・コラム・つぶやき

2017年7月23日 (日)

(274)暑中お見舞い

いくつになっても無知を白状することになりますが、土用とは夏のこととばかり思っていました。土用とは、「土旺用事」の略で、陰陽五行説で春・夏・秋・冬を、木・火・金・水とし、余った「土」を、各季節の終わりの18日間に当てはめたことから、立春・立夏・立秋・立冬前の各18日間を「土用」という、とあります。つまり立秋前の18日間を夏土用というわけで、今年は719日が土用の入り、今は夏土用の真っただ中です。

 

夏土用を暑中と呼び、この間に暑中見舞いを出す。夏土用の三日目が晴れると豊作、雨が降ると凶作だそうで、この豊凶占いを「土用三郎」というらしいのですが、土用三日目の721日は、ほぼ西日本では猛暑でしたが、九州北部などは集中豪雨で、吉凶が分かれたということになるのでしょうか。

 

ちなみに豊凶占いには、他に天一太郎、八専二郎、寒四郎があり、合わせて農家の年中の四厄日という、また土用中に、土を犯すことは忌むべきこととされ、葬送などは、この期間は延期された・・・など、昔の風習は興味深いことです。

 

暑気払いを兼ねた「懇親ビアガーデン」なるイベントを4年前から町内で始めたのですが、昨日がその日でした。今年は筆者に代わって幹事を務めてくれたYさんが「ビールサーバー」なる新兵器を導入してくれたおかげで、本格生ビールをいただきました。普通のビールより3割ほど高いらしいのですが、その値打ちは充分にありましたし、Yさんは得意の手料理も振舞ってくれ大好評でした。こうした隠れた人材の発掘も嬉しいことです。

 

最高齢は88歳から、下は43歳まで、平均すれば年配者が多いのですが、差し入れのウィスキー、焼酎、ワインもすべて飲み干して、実に5時間も談論風発が続いたのは4年目にして初めてでした。初参加の人も誰彼なくすっかり打ち解けている様子をみていると、特に男性にとってアルコールの効用はやはり凄いと思いました。新たな出会いがまた町内に新風を吹き込んでくれそうで、わが町内の土用の吉凶占いは大吉ということになったようです。

 

末筆ながら、みなさま暑中お見舞い申し上げます。

 

 

2017年7月15日 (土)

(273)五嶋姉弟、母の思い

五嶋みどりさんが理事長を務めるNPO法人ミュージック・シェアリングの活動のひとつが、ICEP(international community engagement program)で、日本はじめアジア各国の恵まれない子どもたちに本物の音楽を届ける活動です。8回目として、昨年はネパールを訪問した報告会が、先月ありました。

 

今回のカルテット・メンバーは、みどりさんのほか、アルゼンチン、中国、イスラエルの演奏家で構成されていますが、彼ら(ビオラのルオさんは女性ですが)は若手のソロ・プレイヤーとしていくらでも仕事があるのに、わざわざみどりさんのオーディションを受け、ボランティアで参加している。彼らがいかにみどりさんの活動を敬慕し、参加したがっているか、そう考えるとICEPは、子どもたちに音楽を聴かせること以外に、彼ら若手にどんな演奏家になってほしいか、みどりさんの思いが秘められているのだと思います。

 

報告コンサートでは、ヒナステラ(アルゼンチンの作曲家。初めて名前を知った。不協和音もたっぷりだが、ラテン音楽らしい多彩な音の組み合わせ、リズムに圧倒された)、ドヴォルザーク、シューベルトの弦楽四重奏曲が披露されました。一級品のカルテットを小ホールで堪能する。何と贅沢なことか、来年もぜひ楽しみにしたい。

 

さて、みどりさんの異父弟、同じくヴァイオリニストの五嶋龍さん。

彼もみどりさんに負けずとも劣らない音楽家であること知りました。

 

“拉致被害者を忘れない”をテーマに、この秋全国6か所でチャリティコンサートを行うのです。その名も、Project R 。Rは、拉致被害者、RememberRyu を指す。

 

政府の拉致問題対策本部から、大阪でのコンサートについて連絡があり、協力を依頼されました。92日、大阪大学交響楽団との共演です。もちろんできることはなんでも、と答えたのですが、前売チケットは即日完売、前もって情報提供しておいた大阪ブルーリボンの会の会員でも買えない人が出る始末。ネームバリューの凄さをあらためて知りました。

 

龍さんがなぜこのプロジェクトを思い立ったか。この世で最も恐い母(五嶋節さん)が、僕の傍らで瞼を拭うのは、めぐみちゃんとお母様のことを想うときのみであった、と彼は書いています。母の姿を見て「拉致」についてできることはやろう、と心に決めていたといいます。

 

しかも、今回のプロジェクト6回のうち4回は各地の大学のオーケストラとの共演という形を思いついたのは、“if you see something, say something ”という、ニューヨークの地下鉄の広告にヒントを得たという。自分と同じ世代の若者と何かを成し遂げようという思いに。

 

しかし、「拉致啓発コンサート 大学尻込み」「『政治色強い』と共演辞退も」との見出しで昨日の産経新聞がこの間の事情を伝えています。龍さんが昨年末に共演を呼びかけたところ、約40校が関心を示し、2月の打ち合わせには18校が集まった。ところが、コンサートが拉致問題の啓発目的だと伝えると、ほとんどの学校が手を引いた、とある。残ったのは、

関西学院大、宮城教育大、(医療系大学生による)交響楽団はやぶさ、そして大阪大の4オーケストラ。これが日本の現実です。

 

しかし、4楽団が龍さんの思いに応えたことを称賛したいと考えます。また、逆説的ですが、もし40校が龍さんとの共演を求めてきて、調整に苦労するような日本の状況なら、実はとっくに拉致被害者は帰ってきており、龍さんがこうした企画を考えることもなかったといえるかもしれません。

 

五嶋みどり、龍という天才ヴァイオリニスト姉弟を育てたお母さんは、真の芸術は、聴く側のさまざまな思いを理解しなければ生まれないとお考えなのか、それは想像するしかありませんが、二人のお子さんは母の思いを体現されているのだと思います。横田早紀江さんの思いを、涙なくして聴けない人間を、今の日本が失いつつあるという現実をかみしめながら、「限りある身の、力試さん」と思ったことでした。

 

 

 

2017年6月23日 (金)

(270)この一週間

金曜日。

ご近所の、地域活性化活動の同志であるTさん(元大学教授、同じ歳)が出品されている写真展を観に行く。大半が自然の風景、鵜飼などの行事を写したもののなかで、Tさんの作品は、インドの市井の人々を対象にしている。「下町の人たちの貧しい中でも明るい笑顔と力強さに感銘を受けた」という、Tさんの思いが伝わってくる。

 

土曜日、日曜日。

二日間、某資格試験の仕事に従事する。一日20人、各12分間、受験生と真剣勝負の問答。歳を重ねるにつけ疲労の度合いが増してくるが、それぞれの人生の一コマに立ち会える充実感は変わらない。終わって東京から応援に来た知己の委員と久しぶりに一献、楽しい限り。

 

月曜日。

やっと休日。この前の署名活動のとき、会員間で署名のもらい方で意見の違いが生じ、途中で泣きながら帰ってしまった婦人会員のことが気になっていたので電話する。「あなたのやり方は執拗すぎる、会の品位をダメにする」と注意され悔しくて泣けてきた、あとで私も大人気ないことをしたと反省しました、と。今度もまた行きます、と言われホッとする。政府が何もしないことが、現場での焦燥感につながっている。

友人に紹介された「ミュータント・メッセージ」という本を読む。この本のことはまたあらためて書きたい。

 

火曜日。

町内の月例映画会の日。往年の名作、「カサブランカ」を上映。何度見ても良くできた映画だと思うが、何とこの映画、制作過程では、撮影が始まってからも最後の結末が決まらず、二人の脚本家が苦労したという。ヒロインのイルザを、夫のラズロと恋人のリック、いずれと脱出させるかがなかなか決まらなかった・・・。名作の裏にある意外な真実。

終わってから、大阪に出かけて、五嶋みどりさんと仲間たちの「ネパール/日本 活動報告コンサート」に行く。相変わらず魂のこもった演奏会。毎年6月の楽しみである。これもまた稿をあらためたい。

 

水曜日。

ボランティアの事務所に週一回の「出勤」。署名数が落ちてきている原因と対策、合わせて年後半の活動構想、次の日曜日に予定している某国会議員との懇談内容について、などを話し合う。

先月、結成された「特定失踪者(拉致濃厚な方々)家族会」への緊急特別カンパを会員に呼びかけているが、現在70人ほどから協力があり、40万円ほど集まっているとのこと。いまこそ物心両面のサポートが必要と考えて提案したものだが、応えてくれる会員の尊い志に感謝でいっぱいだ。

 

木曜日。

疲れているし、前夜は迷っていたが、朝起きたらいいお天気だったので、頑張ってグラウンド・ゴルフに出かけた。成績は4アンダーの68。ホールインワンなしで68は悪くないが、順位はちょうど中ほど。参加者22名。最高齢は88歳!筆者より高齢の方ばかりだが、みなさんお上手。

終わってから午後、集会所で「書道を楽しむ会」例会に。3月から月2回、近くの住宅地から先生に来てもらって始めたが、1時間半ほど、筆を持つことはなかなか貴重なひとときである。おおらかな先生で、たくさん手本を書いてくださり、太字、細字、楷書、行書など何を書いても良いという。今日は先生が自作の落款をみんなにプレゼントしてくださった。もう途中で止めるわけにはいかなくなった!?

 

おかげさまで充実した一週間でした。

いよいよ梅雨本番らしい。皆さま、ご自愛のほど。

アップ寸前に、海老蔵の奥さまが他界された由。合掌。

 

 

2017年6月12日 (月)

(269)「究極の協奏曲」コンサート

18歳のヴァイオリニスト、服部百音(もね)と、全盲のピアニスト、辻井伸行が競演する、「究極の協奏曲」と銘打たれたコンサートを聴いた。オーケストラは日本センチュリー交響楽団、指揮はニール・トムソン。(長身のこの指揮者がまた素晴らしかった。)

 

まず、服部百音は服部良一から数えて4代目、祖父は克久、父は隆之という音楽一家に生まれた天才といわれる。1曲目のエルンストの「夏の名残のバラ(庭の千草)による変奏曲」は、粗削りではあるが、超絶技巧、例えば弓でアルペジオを弾きながら、ピチカートで主旋律を弾くなどの、各種の変奏を懸命に弾いた。ブラボーである。

 

そしてチャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」。オーケストラとの息もぴったりで、素晴らしい演奏であった。第一楽章の終わりで早くも盛大な拍手が巻き起こったが、それも当然の印象がした。楽章間の拍手は慎むべしという不文律があるが、感動した故の拍手には違和感はない。

 

(余談ながら楽章間の拍手について、相当なクラシックファンと思われる方のブログに以下の記述がある。)

私は楽章間の拍手についてはケース・バイ・ケースでやって構わないと思います。実は私も楽章間に思いっきり拍手した経験があります。6,7年前にシドニーでチャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」を聴いていたのですが、第1楽章でのソリストの奮闘に対し拍手を送りたくなった私は楽章が終わるまでウズウズしていたんですね。そして最後の和音が終わったときに思わずやっちゃったんですよ、拍手を。でも私はその時周囲の叱責を受けずに済みました。なぜなら私だけでなく会場の全ての聴衆も一斉に拍手喝采を送ったからです(笑)。(「おかか1968」ダイアリーさん)

 

やはりチャイコフスキーの協奏曲は別物なのである。この日もまったく同じ状況であったと思う。

 

辻井伸行はいずれもショパンで、ソロは「英雄ポロネーズ」、協奏曲は最もポピュラーな「第1番」。彼の演奏をナマで聴くのは初めてである。付き人に誘われて登場するところから、ピアノに触れ何度も椅子の位置を確かめるところ、協奏曲では指揮者に合図を送り、オケの演奏が始まり、ピアノが始まるまでの時間、またピアノがお休みの間も、彼は曲に合わせてずっと身体を前後に揺すっている。そんなステージ上の彼のすべてを見て、感じていた。

 

最初のうちは体の揺れが気になったのは確かであるが、彼のすべてがこの曲と一体化しているのだと思ったら、逆にその音楽を愛する一途さが愛おしく思えてきた。筆者が初めて買ったクラシックのレコードがこの曲。ピアノはマルタ・アルゲリッチ、指揮はクラウディオ・アバド。何回聴いたことだろう・・・。今回、ノブのひたむきな演奏で改めてこの名曲を堪能させていただいた。涙を堪えるのに苦労した。

 

さて最後に粋なアンコール曲が用意されていた。百音のお父上、隆之氏作曲の「真田丸のメインテーマ」である。曲が始まったとたん、会場から軽い驚きと嬉しさの混じった拍手が起こった。昨年の大河ドラマの毎回の冒頭で聴きなじんだメロディーが、ピアノとヴァイオリンで交互に演奏される。演奏が終わった後の会場の反応がいかにすごかったことか。オーケストラは敢えてお休みにして、二人だけで華麗に弾き切った。フェスティバルホールが揺れるようだった。

 

 

 

2017年6月 5日 (月)

(268)電磁パルス攻撃

スマホでニュースを読んでいると、関連した情報について記事が次々と紹介されるので、時間さえあれば、いくらでも知らないことに出会うことになります。普通の新聞ではこういうことはできません。先日北朝鮮のミサイルの記事から誘導されて「電磁パルス攻撃」とは何かを知ることになりました。以下、読売新聞の永田研究員による「高度上空の核爆発でおきる『電気がない世界』の恐怖」という記事からです。

 

「電磁パルスは、一定の高度で核爆発が起きた時に起きる電磁波のことだ。核爆発により放出されるガンマ線が空気分子と衝突することで発生する。電磁パルスが地磁気に引き寄せられて地上に向かう時に大電流となり、電子機器や送電線などに入り込んで破壊してしまうのだ・・・。」

 

つまり地上に核爆弾が落ちてこなくても、上空で核爆発が起きると、電磁パルスが地上に降り注ぎ、発電、変電、送電などの施設はもとより、電子機器にも大電流が入り込んですべてが破壊されてしまう。これは復旧可能な一時的停電ではなく、電力システムの崩壊となれば、1年後には9割の人が死ぬというのです。アメリカではすでに、そうなった世界を描いた近未来小説「ワン・セカンド・アフター(1秒後)」がベストセラーになっているが、邦訳はまだない由。


そういえば最近、日本でも「サバイバルファミリー」という映画が公開され、ある日突然電気が来なくなった生活を描いてはいるが、永田氏によれば、「人の死や暴力的な描写はなく、最後はハッピーエンドも用意されているが、一方、米国では近年、電磁パルス攻撃で起きる『電気のない世界』をテーマとした近未来小説が続々発表され、一つのジャンルを形成している。飢餓や疫病、略奪の横行など社会秩序崩壊をこれでもか、とばかりに描いた作品がほとんどだ」と書いています。

 

日本では科学番組では紹介されているのかもしれませんが、一般にはあまり取り上げられていないように思います。例によって、政府は国民が知り、政府の無策、怠慢を指摘してくるのは嫌でしょうが、効果的な対処方法がないとすれば、それもやむを得ないことかもしれません。じわじわと確実に迫ってくる死の恐怖より、むしろ核が落とされて一瞬で命を落とす方がマシかもしれないと、つい考えたりしてしまいます。

先週、オーストラリアのケアンズで、先住民のアボリジニ、ジャプカイ族の生活と文化に触れる機会を得ましたが、少なくとも5万年以上に及ぶ彼らの悠久の歴史(もちろん日本にも同様の歴史があるわけですが)を想像すると、近代以降わずか百年程度の間に人間が犯している罪の大きさに慄然とします。営々と築いてきた人類の歴史を一瞬で破壊するリスクが、いま地球を覆っていることを、しっかり覚悟しておかなければなりません。

 

 

 

2017年5月28日 (日)

(267)忖度

忖度(そんたく)とは、他人の心中や、その考えを推しはかること。推量、推測、推察。国語の辞書にはそうあります。最近にわかにこの忖度が話題となっているのは、国の役人たちが、ときの総理、安倍さんの気持ちを推しはかって行政を進めている(歪めている?)事例が二件続けて明るみになったからです。

 

ひとつは、総理夫人が名誉校長に就任予定(だった)大阪の私立小学校の用地取得において、国有地を異常に安く払い下げたこと。もうひとつは、総理自身が“腹心の友”と公言してはばからない学校法人理事長が、愛媛県に建築中の大学に獣医学部を新設する件で、50年間も一貫して新設の必要を認めなかった文部科学省が、今回あっさり認可に転じたことです。安倍さんはいずれも自分が指示したことはない、もしそうだったら責任を取りますよ!とまで気色ばんだ答弁をしており、もっぱら役人の忖度が働いたとされているのです。

 

最近安倍さんの顔つきが険しいと感じるのは筆者だけかもしれませんが、庶民感覚ではどうやら安倍さんが痛いところを突かれているためかと思われます。ここ数日の獣医学部案件の動きをみていると、総理を支える内閣府、首相官邸の混乱、官房長官のいらだちが目立ちます。

 

内閣府から「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」などと言われたと、文科省の役人が記載したであろう記録(大臣へのレクチャー用メモ)について、日頃は冷静な菅官房長官、最初は、日付もなく出所もわからない「怪文書みたいなもの」だと断じたのですが、今年1月に辞任した文科省のナンバー2の事務次官氏が、わざわざ記者会見を開き、私は在任中、確かにこの文書を見たと明言しました。長官は怒り心頭に達し、この前事務次官氏を、自身の辞任を渋った(情けないヤツ)、風俗店に出入りしていた(とんでもないヤツ)と、個人攻撃を行いました。(  )内は筆者が感じたこと、以下同じ。内閣府が、安倍さんの意思を忖度し、嫌がる文科省に、(わかっているんだろうなと)認可を急ぐように念を押した様子がありありと見てとれます。

 

この件は安倍さん肝いりの国家戦略特区案件です。昨年8月まで、担当大臣であった石破茂氏は、「不思議ですよね。大臣が代わることでこんなに(事態が)進むのか。総理の大親友であれば認められ、そうじゃなければ認められないというのなら、行政の公平性という観点からおかしい」と発言。麻生副総理も、「だから認可しなきゃよかった。俺は反対だった」と言ったそうですね。

 

これらの忖度が果たして安倍さんの今後にどう響くのか。庶民にわかるはずもありませんが、謙虚さを欠く安倍さんの最近の言動をみていると、政局の波乱要因になることだけは間違いないでしょう。「安倍さん、『李下に冠を正さず』という言葉をかみしめろ!」と筆者の亡父の声が聴こえます。今日は亡父の誕生日。誠実だけが取り柄の、田舎の「井戸塀政治家」でした。

 

 

 

2017年5月22日 (月)

(266)六松同窓会

この前の金曜日に、小学校4年から6年までの3年間を共にした、六年松組、略して六松同窓会(今回が3回目、3年おきに開催)に行ってきました。先生はお元気だが93歳となられ、欠席の意向を示された由。そのことは残念でしたが、今回は、13人の兄弟姉妹が集まったような雰囲気となり、みんな遠慮も屈託もなく、底抜けに楽しいひと時を過ごし、2次会では宇治金時を分け合って食べ、まるで60年前にタイムスリップしたようでした。

 

毎回幹事を務めてくれているNくんが、当時「もうだめだ、と思ったとき、もうひと踏ん張りすること。それが大切」と先生に教わった、この言葉を胸に秘めてこれまでやってきた、そして「六松は僕らの原点」と話してくれましたが、みんな思いは同じなんだろう、と思います。遠く東京や千葉から毎回参加する仲間も、また会おうね!と言って別れていきました。

 

ここでは安倍さんがどうとか政治向きの話は似合いませんが、筆者が拉致被害者救出のボランティアをしていることを知ってくれている友もいて、それなりに話しかけてくれます。どうして国民を救い出せないのか、個別に話をしながら、果たして60年後の日本はどうなっているのだろう、今の小学生たちが60年前のことを楽しく語らいあう状況にいられるのだろうか、そのために我々が今しておかなければならないことについて話しました。

 

そうだ。もうだめだ、と思ったとき、もうひと頑張りすること!

それが問われていると考えながら帰途に就きました。

ありがとう、Nくん。そしてみんな。元気でまた会いましょう。

 

 

2017年5月 8日 (月)

(264)安倍さんの政治

今年も「中之島まつり」にブースを出し、署名を呼びかけました。幸い3日間とも好天に恵まれて昨年を上回る署名をいただきました。しかし、いつまで続けなければならないのでしょうか。愚痴のひとつも言いたくなるのは、私たちのささやかな闘いに、安倍政権が本気で拉致被害者を取り返そうとしていないからです。

 

今年の国民集会には行きませんでした。毎度同じことの繰り返しだから。安倍さんは今年の集会で「私が司令塔になって、解決する」と言明したそうですが、ではこれまではやはり、外務大臣に任せていたということでしょうか?この人の言葉にこれまで一喜一憂してきたご家族の身になれば、正直もうたくさんという心境ではないかと思います。集会で横田早紀江さんは、拉致被害者を取り返せないことは国家の恥だとおっしゃった。これは間違いなく安倍内閣に向けられているのです。家族にここまで言わせる安倍さん・・・。

 

挨拶だけすると、司会者は「公務のため安倍総理は退席されます」と言い、首相は会場を後にしたそうですが、翌日の「首相動静」によると、まっすぐ公邸に戻り、4時半には、母上の安倍洋子さんと銀座の和光で開催されている書家の個展を鑑賞。「『挑』と『柔』(の字)が印象に残った。私も柔軟に挑んでいきたい」と感想を述べたという。矢萩春恵という書家が国益にどう関わっている人か知らないが、むしろ正直に「私は親孝行のためこれから母と個展を見に行き一緒に過ごします」といった方がまだましで、逆に親子の情を大切にする人だからと「司令塔」への期待が高まったかもしれません。

 

53日の憲法記念日に、安倍さんは憲法改正を願う民間団体の集会に、ビデオメッセージを寄せました。①2020年までに新しい憲法を施行したい、②9条の1項と2項はそのままにし、新たに3項を書き加えて、自衛隊を憲法に位置づけ(自衛隊違憲論を封じる)、③高等教育の無償化の3点に言及し、2020年の東京オリンピックの年を、新しく生まれ変わった日本にすると主張しました。

 

これまで自民党のなかで一度も議論されていない内容での憲法改正をぶち上げたその日、安倍さんは山梨の別荘へ。今年の連休は、北欧諸国への訪問をドタキャンするほど北朝鮮情勢が緊迫しているはずですが、トランプ氏と「何も起こらない」ことを確認できたからか、翌日はゴルフに精を出していたそうです。

 

以上の事実をどう見るか。

 

これまでにも触れたように、安倍さんは拉致被害者の救出など真剣に考えてはいない。頭の中は、2020年のオリンピックのときに首相でいたい、そして憲法改正を初めてやり遂げた首相として名を残し、祖父岸信介を超える存在になる。そのためには、憲法9条に第3項を書き加えるという奇策で、常々「憲法改正ではなく、『加憲』を」と主張する公明党と、教育無償化を憲法改正の柱にしたい日本維新の会を抱き込む・・・。きっとこのアイディアを思いついた彼の胸中は嬉しくてたまらないことでしょう。(事実、有力な改憲論者も安倍手法でしかたがないと思い始めているようで、まことに残念。)

 

これを野望の政治だと言ったら言い過ぎでしょうか。上記の「加憲」による9条変更で、果たして「美しい日本の憲法」になるのでしょうか。ここ数年の筆者の安倍さんへの懸念はいよいよ現実になってきたと思います。なぜこんな堕落した政治が許されるのか。

 

あなたは拉致被害者を助け出すために、なぜ政治生命を懸けないのか。

今の憲法では、国民を守れない、救出できない、だから憲法は前文からすべてを見直さなければならないと、なぜはっきり国民に説明し訴えないのか。

もしあなたが出来なくても、あなたが身を捨てて行動すれば、後に続く人がきっと出てくる。そうしなければ日本は衰退していくだけだ。

 

志を貫けず、腐敗していく与党政治家。ろくに勉強をせず、プラカードしか書けないような野党政治家。彼らを選ぶしかない国民の悲運を思う毎日が続きます。

 

 

 

2017年4月29日 (土)

(263)「昭和の日」に畏れながら

今日は昭和天皇の誕生日で、今は「昭和の日」と名前を変えた祝日。この日から55日の「こどもの日」頃までが、いわゆるゴールデンウィーク(今は大型連休というらしい)で、昔から楽しみなシーズンではあります。もっとも最近、53日~5日の三日間は大阪中之島一帯で行われている「中之島まつり」に、「拉致被害者救出支援」のブースを出している関係で、あまりゆっくりできなくなっていますが・・・。

 

昨年8月、今上陛下が「お気持ち表明」というお言葉を発せられました。お歳を召したため、もうこれまでのようには動けないので退位したいとの意向をにじませる内容でした。何年も前から皇居の中ではお話になっていたそうですが、政府がいっこうに動かないので、ついにしびれを切らされたものと言われています。

 

さっそく有識者会議というのが設置され議論が続けられてきた結果、皇室典範の改正は行わず、一代限りの特例法を作って陛下のご意向に沿い、平成の御世は30年までとし、再来年の初めに皇太子殿下が即位されることになったそうです。こと皇室については、与野党とも多少の意見の相違は衣に包んで合意したこと自体、評価されてよいと思われますが、一国民として今回の措置には疑念が残ります。

 

昭和天皇は大日本帝国憲法(明治憲法)下で即位され、先の大戦について開戦、終戦に関わられましたが、今上陛下は、国民統合の象徴という現憲法下で初めて即位されました。「象徴天皇」という、曖昧な地位にあって何をどうすればいいか、悩みながら務めてこられたことは想像に難くありません。諸外国とも親善訪問以外に、戦場となった東南アジア諸国への慰霊訪問も数多く、また大震災をはじめとし災害に遭った国民への慰問、激励の旅もたくさんこなされてきた。正直疲れ切った、というお気持ちはよくわかります。

 

ただ、天皇皇后両陛下が、高齢になられたのちも、避難所を訪ねて被災者の前に膝を屈して話しかけられるお姿を見て、そこまでされないといけないのかと感じた国民も多いと思います。多くの一般国民が65歳で定年となることを思えば、もっと早くに政府が陛下の公務の削減を大胆に進めていくべきであったし、心臓の大手術をされたあとの海外訪問などは当然お止めすべきだったのです。陛下からお気持ち表明を受けるまで放置していたこと自体、歴代総理大臣はじめ政治家の怠慢ではないかと思います。

 

ご退位を一度認めると今後どんな事情で天皇の地位に関わる問題が生じるかもわからないのですから、現憲法と典範が生前の譲位、退位の規定を置かなかった意図を尊重してほしかったと思います。崩御イコール退位だからこそ国民は天皇への敬慕を持ち、海外からも尊敬を集めているのですから。

 

また、ときに陛下のお言葉に散見され、皇太子殿下におかれてはかなり明確に語られる「反戦平和」についても、先の大戦で日本のために戦った英霊たちの思いを考えると、違和感を禁じえません。この世で平和を願わないものはいないのです。しかし平和を守るために、ときに戦わなければならないというのが人間世界の宿命なのですから、皇室からことさら「平和憲法を大切にしていく」といったお考えを述べられることは、まことに畏れ多いことではありますが、おやめいただきたいのです。

 

 

2017年4月15日 (土)

(261)「一触即発の」半島情勢

46日、アメリカのトランプ大統領が、シリア政府軍の化学兵器使用への対抗策として、米軍に対しシリア軍基地への空爆を命令したニュースは世界中を驚かせました。事実トマホーク砲を59発も撃ちまくったのです。

 

しかもその命令は中国の習近平主席を招いていたトランプ氏の別荘で行われ、習氏はそのことを直接大統領から耳打ちされて、何も応答できずにいたということや、トランプ氏とは「いい関係」だったはずの、シリアの後ろ盾、ロシア・プーチン大統領の面目も丸つぶれで、さすがにトランプ氏、何をしでかすかわからないという前評判通り(?)の行動で、同時にミサイル乱射や核実験を繰り返す北朝鮮の金正恩の肝をも潰させる効果もあったようです。

 

今日15日は金日成生誕105年の記念日で、もし北が核実験を行う徴候を見せたら、米軍は直ちに北に向けて空爆を行うとしていて朝鮮半島情勢は一気に緊張状態となりました。実際原子力空母カール・ビンソン、ロナルド・レーガンをはじめとする強力な実行部隊を朝鮮半島付近に集結させています。

 

これまでは一方的に世界を挑発し、「瀬戸際外交」をやってきたのは北朝鮮でしたが、今回はアメリカも挑発には屈しないという方針を明らかにし、軍事行動の準備を終えたということで、世界が固唾をのんで見守っています。一方の当事者であるはずの韓国は、朴大統領を罷免、逮捕までしてしまい、次期大統領選挙直前というタイミング、いったい朝鮮半島はどうなるのでしょうか。

 

残念ながらわが日本も韓国と似たり寄ったり。北朝鮮が崩壊したとき、拉致被害者を取り戻せるのかという議論がやっと現実味を帯びてきたという状況です。しかも安倍首相は、日本の法制度では自衛隊を救出に向かわせることはできない(なぜなら相手国の同意が条件だから)、アメリカ側の協力を要請していると答弁しています。

 

こんな人が「すべての拉致被害者を取り戻し、家族のもとへ返すのが私の政権の使命」だと言っていたのかと思うと慙愧に堪えません。左派の野党は「アベ政治を許さない。安保法制は戦争法」などと世間をあおっていましたが、大丈夫、安倍さんに戦争する覚悟なんてありませんよ、買いかぶりすぎです、といってやりたいぐらい。ああ。

 

トランプ氏の狙いは北朝鮮の崩壊ではなく、中国をうまく動かして北朝鮮の首根っこを押さえさせて事態を収拾(中国の属国化)、中国の役割を作ってやったと恩を売って、経済関係で果実をとる、という計算ではないのかと思います。

 

この機会に拉致被害者を救出できればもちろん結構なことだけれど、今の政権にそんな力はありません。万が一、トランプ氏が「盟友」安倍さんの要請を聴き入れて救出してくれたら、本当に日本は51番目の州となるか、あるいは州には入れてもらえず、中国との間の防波堤としての役目を果たす正真正銘の属国になるということではないかと心配の種は尽きません。

 

腹の据わった政治家やいずこに?

 

 

 

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