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2017年4月29日 (土)

(263)「昭和の日」に畏れながら

今日は昭和天皇の誕生日で、今は「昭和の日」と名前を変えた祝日。この日から55日の「こどもの日」頃までが、いわゆるゴールデンウィーク(今は大型連休というらしい)で、昔から楽しみなシーズンではあります。もっとも最近、53日~5日の三日間は大阪中之島一帯で行われている「中之島まつり」に、「拉致被害者救出支援」のブースを出している関係で、あまりゆっくりできなくなっていますが・・・。

 

昨年8月、今上陛下が「お気持ち表明」というお言葉を発せられました。お歳を召したため、もうこれまでのようには動けないので退位したいとの意向をにじませる内容でした。何年も前から皇居の中ではお話になっていたそうですが、政府がいっこうに動かないので、ついにしびれを切らされたものと言われています。

 

さっそく有識者会議というのが設置され議論が続けられてきた結果、皇室典範の改正は行わず、一代限りの特例法を作って陛下のご意向に沿い、平成の御世は30年までとし、再来年の初めに皇太子殿下が即位されることになったそうです。こと皇室については、与野党とも多少の意見の相違は衣に包んで合意したこと自体、評価されてよいと思われますが、一国民として今回の措置には疑念が残ります。

 

昭和天皇は大日本帝国憲法(明治憲法)下で即位され、先の大戦について開戦、終戦に関わられましたが、今上陛下は、国民統合の象徴という現憲法下で初めて即位されました。「象徴天皇」という、曖昧な地位にあって何をどうすればいいか、悩みながら務めてこられたことは想像に難くありません。諸外国とも親善訪問以外に、戦場となった東南アジア諸国への慰霊訪問も数多く、また大震災をはじめとし災害に遭った国民への慰問、激励の旅もたくさんこなされてきた。正直疲れ切った、というお気持ちはよくわかります。

 

ただ、天皇皇后両陛下が、高齢になられたのちも、避難所を訪ねて被災者の前に膝を屈して話しかけられるお姿を見て、そこまでされないといけないのかと感じた国民も多いと思います。多くの一般国民が65歳で定年となることを思えば、もっと早くに政府が陛下の公務の削減を大胆に進めていくべきであったし、心臓の大手術をされたあとの海外訪問などは当然お止めすべきだったのです。陛下からお気持ち表明を受けるまで放置していたこと自体、歴代総理大臣はじめ政治家の怠慢ではないかと思います。

 

ご退位を一度認めると今後どんな事情で天皇の地位に関わる問題が生じるかもわからないのですから、現憲法と典範が生前の譲位、退位の規定を置かなかった意図を尊重してほしかったと思います。崩御イコール退位だからこそ国民は天皇への敬慕を持ち、海外からも尊敬を集めているのですから。

 

また、ときに陛下のお言葉に散見され、皇太子殿下におかれてはかなり明確に語られる「反戦平和」についても、先の大戦で日本のために戦った英霊たちの思いを考えると、違和感を禁じえません。この世で平和を願わないものはいないのです。しかし平和を守るために、ときに戦わなければならないというのが人間世界の宿命なのですから、皇室からことさら「平和憲法を大切にしていく」といったお考えを述べられることは、まことに畏れ多いことではありますが、おやめいただきたいのです。

 

 

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