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2017年3月27日 (月)

(259)大相撲春場所の奇跡

昨日は稀勢の里の優勝に感動させてもらった。

全勝で迎えた13日目。日馬富士に押し倒されて桟敷に落下し、左肩を負傷、出場さえ危ぶまれたが、新横綱は残す2日間の強行出場を決意。14日目は鶴竜になすところなく寄り切られ、122敗で迎えた千秋楽。131敗の照ノ富士との一戦は、誰が見ても稀勢の里不利で、多くの人は、体をこれ以上痛めないようにと祈る気持だけだっただろう。

 

本割の一戦。まず立ち合い、横綱は痛い左肩をかばって右に変化したが、わずかに呼吸が合わないと見た行司がやり直しを命じる。微妙なタイミングに見えた。ここが勝負のアヤだったかもしれない。2度目の立ち合いは左に変わった。必死の差し手争い。しかし照ノ富士に押し込まれた。土俵際を伝いながら捨て身の突き落とし。左ひざを痛めている照ノ富士の足はついていけなかった。そして優勝決定戦へ。場内は興奮の坩堝と化す。

 

132敗同士の決定戦。今度は照ノ富士があっさり2本差して寄り切るかに見えた。しかしまたもや土俵際、横綱は渾身の右小手投げを打つ。一瞬早く大関の体が先に落ちた。2番とも大関は相撲に勝って勝負に負けた格好。奇跡的な逆転優勝となった。

 

最近は白鵬はじめモンゴル出身者が上位を席巻し、日本人力士の不甲斐なさに正直なところ相撲への関心は消え失せていた。今回久しぶりの日本人横綱誕生と囃されたが、不愛想かつ太々しさが目につく茨城出身の彼を応援する気にならなかったのだが、昨日土俵下で国歌を歌いながら途中涙を堪えられなくなったその姿を見て、こちらの心も震えてくるのだった。

 

「泣くまいと思っていたのに・・・すみません」と照れ、「今場所は見えない力を感じました」と率直に語る彼の姿に大和魂を見る思いだった。強い責任感のなかで精進を重ねた者にのみ与えられる見えない力・・・。他の力士たちに、横綱とはどういう存在かを身をもって知らしめたことと思う。

 

昨日は日本の国技、大相撲が復活した日として祝福したい。

 

 

 

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