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2016年11月11日 (金)

(243)トランプ大統領の誕生

アメリカの次期大統領に、大方の予想を覆し、共和党のドナルド・トランプ氏が当選した。粗暴な人物印象と、過激な発言ゆえに、当の共和党重鎮たちからもそっぽを向かれ、これまで共和党支持のメディアのほとんども今回は民主党のヒラリー・クリントン氏を支持するという、まさに異常な選挙戦だった。結果、全米の得票総数では、クリントンがおよそ40万票差で勝っているのだが、合「州」国であるアメリカ独特の選挙制度で、州ごとの獲得代議員数でトランプ氏が大差をつけた。

 

思い返せばヘンなことがあった。7月に訴追なしで決着がついたはずの、クリントン氏のメール問題(国務長官時代、公務に私用メールを使っていた)を、投票日のわずか11日前に、FBI長官が再捜査すると発表した。新たに発見された65万通のメールの調査をするとしたのだが、投票日の3日前になって、大量のメールを「休みなく」調べた結果、7月に出した結論どおり、やはり訴追しないとした。トランプ氏が、65万通を8日間でチェックできるものか!と毒づいていたが、これはいったい何だったのだろう。選挙中にこんなことが許されるのか・・・。

 

この件が選挙終盤、クリントン氏にダメージを与えたことは明らかだろう。78%引き離していた支持率が一挙に12%に縮まったのだから。選挙後、全米で「反トランプ」のデモが行われているのも、一発逆転の世論操作をしたもの(こと?)への反発もあるのではなかろうか。クリントン氏自身、よほど悔しかったのだろう、敗北を認めるのに時間がかかったし、出てきたときの表情も単に疲れ切っただけではない印象だった。今回はトランプ氏を勝たせる必要があり、アメリカという国を「操作」した勢力の存在を認めることは恐ろしいことだが、世界中で戦争がなくならないのを見ればありうることだと思われる。

 

今年6月のイギリスでのEU残留の可否を問う国民投票も、蓋をあければ意外な「離脱」という選択肢だったが、今回の大統領選挙と共通するのは、経済格差の広がりの中で、他国との協調よりも、移民を排斥し、自国民を守ろうとする内向きの傾向だ。ひいては国際的な相互不信が顕著となっていくと、いずれは世界規模の戦争が起こらないとも限らない。

国際的には第2次大戦後最大の危機的状況を迎えたのだと思う。

 

「北朝鮮が核を持ったのなら、日本も持てばいいじゃないか」、「自分の国は自分で守れ。米軍に頼りたいなら、それ相応のカネを出せ」と主張するトランプ氏が政権につけば日米同盟においては具体的にどんなことが起こるのか。憲法9条を頑なに守り、自衛隊は軍隊ではないとする姑息な思考方法ではこれから通用しなくなる。アメリカから突き放されて、日本国民が自前の国防を考えるようになれば、トランプ氏の登場は悪いことではない。「自眠党」と「眠寝党」をいったん叩き潰して、真の平成維新を成し遂げられるか、日本の力量が試される時代に入ったことだけは間違いないと思われる。

 

 

 

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