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2016年8月13日 (土)

(233)リオ・オリンピック

リオデジャネイロ・オリンピックが佳境を迎えている。

大統領が弾劾裁判中で、国家元首不在の開会式だったり、予算不足や治安の悪化など、運営面での心配があったが、いまのところまずまずのようだ。驚いたことに、どの会場も素晴らしいデザインが施された立派な設備である。開会式の演出もこれまでのどこよりも美しく、感動的だった。

 

ここまでで最も印象に残ったのは、男子体操・個人総合の内村航平と、ウクライナのベルニャエフ。最後の鉄棒で内村が逆転した。結果はわずか0.099点の差・・・。着地でわずかに動いたベルニャエフが0.1減点されたためだとのこと。

 

メダリスト会見で、内村に「あなたは審判から好意的にみられているのでは?」と意地悪な質問が出た。「そうは思わない」と当の内村が答えた後に、訊かれてもいない銀メダルのベルニャエフが横から口を出して、「採点はフェアであることはみんなが知っている。それは無駄な質問だ」とピシャリ。ベルニャエフの潔さに拍手が起こったと記者は伝えている。

 

「コウヘイをハラハラさせるなんて全然予想していなかったから、僕はとても幸せなんだ。このスポーツには、弱い選手なんか誰もいない。(内村航平という)伝説の男と、僕らが戦ったという事実があるだけさ。これは世界最高にクールなことだと思う。僕らは一緒に、この素晴らしいショーをやり遂げたんだ」とも語った。(ウォールストレートジャーナル紙)

 

彼は22歳のウクライナ代表で、ウクライナ東部のドネツクの出身。政府と反政府(親ロシア派)が紛争を起こしている中心地。この国での練習環境、設備は劣悪で、ゆか運動でマットの外に出ると足を痛めることもあるという。その治療費はすべて自己負担。国からの給料も月額100ドル程度しかなく、毎週試合に出て練習費用を稼がなくてはならない・・・。

 

彼ほどの実力があれば、ロシアはじめいくつもの国から、うちに来ないかと、オファーがくるが、彼は家族や友人のいるウクライナに残ることを選んだ。好待遇を受け、祖国を捨てた仲間もいるというが。

 

わずかな差で負けた悔しさのにじむ表情が笑顔に変わったのは、内村から「次はもう勝てない」と言われたとき。「恥ずかしいくらいうれしい。でも彼は絶対にそんなことは思っていないはずだよ。」(日経紙)

 

何という二人だろう。銅メダルのウィトロック(イギリス)も、「ウチムラは皆のお手本です。今日の最後の鉄棒は言葉がない。クレイジーとしかいえない。」と言ったという。

この三人が、お互い出会えたことに感謝している清々しいニュースを見て、さすがはオリンピックだと思った。

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